詩人:どるとる | [投票][編集] |
小さな子供が 膝小僧擦りむいて泣いている
大人になると転んでも平気なのに
子供は素直だから 気持ちを隠さないんだね
何度も何度でも 転んで膝を擦りむいて
重ねてく傷跡が 固く かさぶたになった頃
人は大人になる
きっと そんなふうに 人の痛みを 知っていくんだね
人に教えてもらわなくても わかるんだよ
だから転んだ人を指差して笑うような人にはならない
僕にはその痛みがわかるから
大人には大したことのない傷跡も
子供には大けがみたいに思うんだろう
素直なもんだから子供は泣くんだけど
大人にはそれが大げさに思うんだろう
どうして泣くのか わからないんだ
傷跡は見た目には わからない たくさんの ドラマを 隠し持ってる
きっと そんなふうに泣くのが 子供の仕事なんだね
大人に忘れてること 教えているんだよ
だから 子供の目は 澄んだ目をしてる
実に素直に感情を表に出すから やるせなくて
嘘ばかりの自分が 恥ずかしくなって見ていられないんだ
君は鏡のようだ 僕の心を映すから
見せないでよ 忘れたはずの素直な心
きっと そんなふうに 人の痛みを 知っていくんだね
人に教えてもらわなくても わかるんだよ
だから転んだ人を指差して笑うような人にはならない
僕にはその痛みがわかるから
心にできたかさぶたひとつ 数えてみたら
もう数えきれないほど こんなにたくさん
そのかさぶたの数だけ心は大人になるんだろう。