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どるとるの部屋


[615] 今日にさよならを
詩人:どるとる [投票][編集]


あたりまえなことだけど今日1日はもう
通り過ぎたら
ほんのくだらない
一場面でさえ戻らない
1秒でさえ戻らないのです

日が暮れて 切なくなって
時間よ止まれと願っても今日にさよならをしたなら
もう 誰も帰れない

あたりまえなことなのに
今さらって感じなのに
ねえ 考えてもみて
それって悲しいこと
だけれど仕方ないこと
だからこそさよならするとき 流れる時間のひとつひとつに涙が止まらないのかな

やさしい気持ちでさよならしたいけど
今日にさよならをしてしまったらやっぱり泣かずにはいられないのです
やっぱり胸が苦しくなるのです

僕らは
ひとりひとりが
瞬間で消える時間を積み重ねて やがて流れ星のようにさ
流れきったらもうふたたび流れることはない
ただ簡単な話
でもなんて切ない話

今日も泣いてしまうよ
それなのにふれられているうちには気づけない
今日の大切さ
さよならするときなぜこうも悲しくなるほど目が覚める?

ああ

今日にさよなら
バイバイ
ありがとう
楽しかった
それでも
言わなくちゃ
それでも
さよならしなくちゃ

僕は生きられない
日々、1秒ごとに天に命を捧げなくては
僕は僕でいられない

そんなことわかってるはずなのに
流れる涙
悲しむ僕
わかってるからこそさ そうさ
流れる涙
悲しむ涙

今日にさよならを…
僕はあふれる涙をぬぐいながら今笑うよ
嘘でも さよならを
僕は運命に言わされてるのかもしれない
でも言うんだよ
今日にさよならと…
今日にさよならと…

言葉にしなくても
終わりは始まりを生み明日という世界を広げるから
また新しい物語を何度でもそこに生み出すから

今日にさよなら
合図でもなければ明日の呼び出し音でもない
ただその言葉が自分の中で何度もループする

今日にさよならをせざるを負えないとき。

2009/11/29 (Sun)

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