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どるとるの部屋


[6170] はじめてのひびき
詩人:どるとる [投票][編集]


一歩前に踏み出すように
世界が動き出してく 長い夜が明けるように
誰かの産声が聴こえたなら
それを 合図にして 目の前のドアを開けよう

メロディは つながってゆく
悲しい声やその時の痛みさえも もらさず拾っていく

生まれてはじめてのひびきが
僕の隙間だらけの心を埋めていく
「愛してるよ そんな君も大好きだよ」
そんなありふれた言葉やなんでもない誰かの思いが
この世界を きっと回してるんだ

フィクションの中の物語に赤い血が流れても痛みまでは伝わらない
誰かの 口笛の矛先に
未来は 朧気に浮かんでて あやふやな輪郭だけを見せる

メロディが 聴こえるかい?
聞きたくなくても知りたくなくても もらさず拾うのだ

まだ知らない誰かのひびきが
僕のひびきと重なってまた新しいひびきになる
願わずともそこにある ささやかなものひとつひとつにちゃんと灯る光

愛は見えないものだから見失ったことに気づくこともわからない
でもあなたがくれる言葉や 下手くそなその笑顔が
もしかして もしかしたら すべての答えなのかもしれないなあ

生まれてはじめてのひびきが
僕の隙間だらけの心を埋めていく
「愛してるよ そんな君も大好きだよ」
そんなありふれた言葉やなんでもない誰かの思いが
この世界を きっと回してるんだ

明日も 世界は 回るんだ
君の中で 僕の中で
すべての人の中で。

2015/03/19 (Thu)

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