詩人:どるとる | [投票][編集] |
この夜は 寂しさや切なさを 隠して
はみ出した今日の傷跡さえ 見えない
カーテンをぴしゃりと閉め切ったように
都合の悪い すべてを 視界から消している
雨は ただ地面を削り取り やがて 何もかも なくなって
誰かの胸の片隅に影だけが ぽつり残るだけ
僕は声も出さずに
泣いた 夜が明けるまで
そんな 日もある
この涙は忘れてしまうには
あまりにも 大切な思い出だ
ほら いつの間にか宝物になっている
どれだけの朝を 夜を繰り返せば
まともに笑ったり泣いたり出来ますか
わからないことばかり積み重なって 積み木みたいに 心の中に 答えのない問いかけが
記憶の中を 埋め尽くしてしまっている
いつか 片づくかな
あなたの記憶に 小さな明かりを灯す 忘れないでね
笑うことを 忘れてしまったように
うれしいことがあっても笑えない
雨のように胸に突き刺さる
時の重みが 僕を押しつぶす
ああ独白は暫くつづく
夢から覚めたら ここはどこだろう
どこでもないさ 夜の片隅
ずいぶん遠回りしてきたよ やっと
スタートラインに立てたかなあ
僕は声も出さずに
泣いた 夜が明けるまで
そんな 日もある
この涙は忘れてしまうには
あまりにも 大切な思い出だ
ほら いつの間にか宝物になっている
ゴミ箱に捨てたあの 萎れた花も。