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どるとるの部屋


[6189] 波乗り
詩人:どるとる [投票][編集]


昨日の痛みが よみがえってくるよ ほら
思い出とは少し違うかもしれない
だけど あの涙が 今日の日の笑顔を
咲かせたのも本当のことだから

夕暮れの街並みは いくつもの人の 重いため息を 背負ってる

流れる人波に僕はうまく乗れずに 置いていかれてしまう
笑った顔が あまりに悲しそうに見えた
だから思わず 抱きしめてしまった
うれしかったのは 握った手を握り返してくれたこと

言葉は いつも あと少し足りないんだよ
どうしてっていうほど 遠回りしている
だけど 君のその優しさでちょうどいい具合にほだされたら
そんなことどうだっていい

君にだけは置いていかれないように
君の手をぎゅっと握りしめた

みんな我先にと 急ぐばかりで他人になんか目もくれやしない
気を抜くと僕も そんな奴らと同じになってしまいそうになる
しっかりしなけりゃ
夢うつつの中で 見た君の笑顔が夢でないことを願うよ

そうやってなんとなく続いていくたくさんの僕と君の物語
背負ったり背負われたりしながら
かわりばんこに きっと今日もこの街のどこかで愛は順調に育っているんだろう

流れる人波に僕はうまく乗れずに 置いていかれてしまう でもいいんだ
僕が願うのは君の隣で この先もずっと
こんなふうに 笑ったり泣いたりすること
それさえ変わらなければ 誰に嫌われても君に愛されていれば
明日は 晴れる。

2015/03/28 (Sat)

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