ホーム > 詩人の部屋 > どるとるの部屋 > 時代という名の言い訳

どるとるの部屋


[6264] 時代という名の言い訳
詩人:どるとる [投票][編集]


流れる人混みの中に ただいつまでも佇んでいた
日が暮れるまで
自分の存在価値だったり 生きる理由なんかを探していた
ただ宛もなく

何処にありますか?
この空白を埋める為の
都合のいい解釈ではなく
誰もが認めざるを負えないような
そんな完璧な答えは

僕たちは 何かあると必ず それも時代だと 責任の所在を うやむやにするけど

たくさんの人の中で 自分を失いたくなくて
とりあえず 個性を叫んでみるけど
ほかの色に混ざって 僕なんかすぐ 消えちゃって
ほらもうあっという間に透明になった
時代という名の言い訳をせめて
何かに置き換えるなら
運命だったり 宿命だったり
形のないもののせいにしよう

無関心が服を着て歩いてる 誰かがそこで転んでも目もくれやしない
自分の足元しか見えてない人たちの瞳には 他人の傷跡なんて見えやしないんだ

きれいごとですぐ逃げようとするのは
正しくいようとするふりをしているだけだろう
思い込みだって責められるほどあんたの心はきれいなのか?

僕たちは 勝手で自分のことになるとムキになるくせに他人のことには無関心

腐るほどいる人の中で 優しさや愛を求めるのがそもそもの間違いなのだろうか
それでも絶え間なくこの心や体は 人間のきれいな部分にすがろうとしてしまう
いくらでも裏切ればいいさ いくらでもあざ笑えばいいさ
いつか信じ続けていれば 報われる日が来ると信じている

あの頃の 人を疑うことしか知らない自分を
変えてくれた 人を信じる大切さを教えてくれたその気持ちを

たくさんの人の中で 自分を失いたくなくて
とりあえず 個性を叫んでみるけど
ほかの色に混ざって 僕なんかすぐ 消えちゃって
ほらもうあっという間に透明になった
時代という名の言い訳をせめて
何かに置き換えるなら
運命だったり 宿命だったり
形のないもののせいにしよう。

2015/05/17 (Sun)

前頁] [どるとるの部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -