忘れていたこともあざやかに思い出す昨日は消えない閉じた瞼の裏に描いたいつかの場面雨に 濡れるよいくつもの 喜び同じだけの悲しみひとつひとつ花束みたいに束ねて今日の雨に歌えばやさしい痛みだと知るこのほほにこぼれ落ちる涙には名前などなくて行く宛さえない旅に出て 知らない土地で芽を出すだろういくつもの 思い出あるいはメモリー何ひとつ 置いていかないよ雨上がり夜が明けるのをこのまま待ちわびよう。
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