詩人:どるとる | [投票][編集] |
ある図書館で貸し出された本の中にひときわ大きなもくじだけの本がある。何百ページと続く本すべてがもくじで埋め尽くされている。
肝心の中身がないのだ。
なぜこんな本があるのかと図書館の司書に問うと司書は双眼鏡を取り出した。
ばかでかいプレパラートに本を裏表紙にして置くとのぞけと促した。
覗いてみるとたくさんの活字が第一章から最終章まで分子レベルの細かい字で書かれていた。
ただ、そのすべてがある人物の人生における失敗談をまとめたもので内容はひどくつまらないものだった。
ただの黒い裏表紙だ と思っていたのはすべて本の中身だったのだ。