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どるとるの部屋


[6664] ブルーバード
詩人:どるとる [投票][編集]


雨降りの駅は 憂うつを抱いて佇んでる

僕は 肩先についた雨粒をはらっている

持ち合わせた優しさは所詮嘘だから

すぐに 醜さがはみ出してしまう

通りすぎた雨の余韻がまだ

幸せの青い鳥を 追いかけていた

そこにあるのに手を伸ばしても

けっしてつかめない光

笑ってくれよ せめてこんな僕の醜態を

愛に紛らせて なんだってきれいに見える

そんなつまらない工作はもうやめるべきさ

絡まってしまって糸がほどけない

こんなにも僕らはいつの間にか

変わってしまったのは僕らだろう

時間は悪くない 空も水も同じ色なのに

僕らの心が それを愛せなくなったんだ

不意に立ち止まる道の途中で

振り返る 僕の瞳に君の涙が見えたけど

僕は追いかけることが最後までできなかった

通りすぎた雨の余韻がまだ

幸せの青い鳥を 追いかけていた

そこにあるのに手を伸ばしても

けっしてつかめない光

笑ってくれよ せめてこんな僕の醜態を

たった一人の人さえ愛せない僕を。

2015/10/24 (Sat)

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