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どるとるの部屋


[6792] クレーター
詩人:どるとる [投票][編集]


くそ生意気な 漂流者は
贅沢をしながらもまだまだ
貪欲にあれやこれやを欲しがる

1日三食 場合によってはそれ以上
洋服 選び放題 住む場所も申し分ない

それなのにあなたはこんな
満たされた生活を「貧しい」と嘆く

貧しいのは あなたの心でしょう

クレーター 自転する世界 引力で落ちる林檎

並び立てた理論 正論で この世の不思議を排除

そんなつまらないことはしないでと言って

土星の輪 遠目から見るから ドーナッツ

流れ星 光の幻想 近づけないロマンス

望遠鏡覗き込んでも見えない宇宙の果て

僕はそんな世界に 心踊らせていたいの

いわば僕らは都会の遭難者 幸せに血迷う
何を探してるの?大切なものは目の前にあるのに 節穴の目にはえてして見逃されてしまう

たとえばクレーターひとつ 取り上げて
そのすべてを頭で理解した気になっても

何一つ解決はしないことを 僕らは遠い昔に知ったはずだよ
あの痛みが答えさ

宇宙の闇に計算なんて通用しない

クレーター 自転する世界 引力で落ちる林檎

並び立てた理論 正論で この世の不思議を排除

そんなつまらないことはしないでと言って

土星の輪 遠目から見るから ドーナッツ

流れ星 光の幻想 近づけないロマンス

望遠鏡覗き込んでも見えない宇宙の果て

僕はそんな世界に 心踊らせていたいの

あまねく不思議を 残して 美味しいものはあとで食べるの

皿に残したクエスチョン すべてを解きたいでも知りたくない

そのモザイクをはぎとらないで

相対性理論が残した終わらない宿題

舌を出して ごまかすはアインシュタイン

あえて科学を不思議と名付ければ
この世界は いまだ謎めいて

遠く遠く心を旅させるように

イメージの彼方へ 魂だけ 夜間飛行

空には多分 手が届かないほうがいいの
だって知らないからときめきなんだ。

2015/11/10 (Tue)

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