詩人:どるとる | [投票][編集] |
通り過ぎていく車窓からの眺め
雲のトンネル くぐり抜けていく
銀の翼が 残した うっすらとした飛行機雲
僕らの明日は 見えないままの漠然とした不安を抱えさせる
瞳の奥に咲いた花の花びらひとつ
救えないまま その命の散り際を見送る
雨が降る 景色をただじっと見ていた
そこに重ねる想いは雨粒と一緒に
はじけて消えた はかないその一瞬を
悲しむまもなく 長い夜が明ける
小雪混じりの街は 明かりを揺らして
赤や黄色に またたくきらびやかなライト
誰かの寂しさを 無理やり上書きしたようなページ
どれだけの言葉でどれだけの世界広げても答えは見えない
僕にもわからないんだこの胸の痛みの
はっきりとした名前は だから迷うんだ
追いかけても けっしてつかめないものばかりだ
急かされるように生きて何処に行くのか
いいさ僕は僕の答えを見つけてやるんだ
終わらない自問自答と自己完結の繰返し
定めなき 世界 形を決めるのは
いつでも僕自身だということもわかっている
だから、僕は昨日より今日より 確かなあしたを生きたいと思う
雨が降る 景色をただじっと見ていた
そこに重ねる想いは雨粒と一緒に
はじけて消えた はかないその一瞬を
悲しむまもなく 長い夜が明ける
季節はまたひとつ変わる 暦には舞い降る白い雪。