詩人:どるとる | [投票][編集] |
まばたきの隙間に 流れる 小さな星屑
キラキラとわざとらしいくらいに輝く
いくつもの窓に映る ほんのささやかな暮らし 慎ましやかな幸せを映す
もう何百回口にした おはよう おやすみ
繰り返す いつもの言葉 何気ない言葉
大事そうに口にする
忘れないであの 痛み あの優しさ
星を 束ねて 花束のように結ぶ
雨のように 落ちた 水面に波紋
さざ波ひとつ 僕の小さな胸を揺らした
君が 降らせた とっておきのいしつぶて
なんでもない夜も特別な夜になる
「君が幸せそうに笑う」
それだけなのに それだけなのに
なんでこんなに 僕のほうが幸せになれるんだろう
何処かも知らない街の名前のない物語
イメージが 出来上がった瞬間 広がった
いくらかの小銭と部屋の鍵を
握りしめて 旅に出よう賞味数時間の冒険
まぶたは スクリーンの代わりになって
過ぎ去っていく風景を 次々に 記憶する
消えない残像は とげのように突き刺さる
忘れていく 今日の日の悲しみも喜びも
思い出は 遠ざかるほどに色褪せる仕様
風のように うねった 銀河の渦巻き
抜け出そう 世界を狭めるこの闇の森から
つまらない世界も考え方次第で変わる
「君が一緒なら 何も恐くない」 そう思うのはなぜだろう
見上げた空にひとすじの流れ星 願い事はない
つむった目を 開く
暗闇に 慣れた心が 光を 取り戻すと当たり前みたいだけど 変わらない世界がそこにある
なぜだか 当たり前なことが今さら 愛しくてたまらないのさ
人を思い 人に愛されていることが 愛しくてたまらないのさ。