ホーム > 詩人の部屋 > どるとるの部屋 > 産声

どるとるの部屋


[6905] 産声
詩人:どるとる [投票][編集]


雨が 土をけずり
陽射しが 畑に降る

小さな種から 芽を出したばかりの命が

精一杯笑ったり泣いたりする様を

僕はただ見つめていた言葉をなくして

あなたの手はなんて温かいんだろう

まるでお日さまみたいだと笑ったら

僕の心にもきれいな花がひとつ咲いた

産声の向こうに
愛が 見えた気がした

はじまて抱いた小さな命の手ざわりだ

これが僕の血の分けた命なんだね

僕のすべての言葉が役に立たなくなった

あなたの手はなんて温かいんだろう

まるでお日さまみたいだと笑ったら

僕の心にもきれいな花がひとつ咲いた

言葉はただの言葉になるよ

あなたの笑顔を目の前にしてしまえば

どんな怒った人も笑ってしまうよ

なんてことを思ったらいつの間にか

泣いていた僕は すっかり笑顔になってた

それはまるで魔法です。

2015/11/28 (Sat)

前頁] [どるとるの部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -