詩人:どるとる | [投票][編集] |
手紙を 送りましたが
お体に おかわりはございませんか?
なにぶん遠く離れているので 風の噂も届きません
僕の勝手な 言い分だけが文面を埋める
だけど あなたを思えばこそのわがままさ
愛しているとか 今さら 言いませんが
ただあなたにもう一度会いたい
そんな気持ちがある
下手くそな 文字の手紙 白い 紙の上に
涙を降らす あなたも同じ気持ちだった
春が来たなら きっと行くよ 君の街まで
押し花もひとつ 入れました 貝殻も
君が気に入ってくれるといいな
何十枚も 書き直したんだよ 封筒や便箋にもこだわったよ
僕の つまらない 話にも笑わないで真面目に聞いてくれたのは君だけ
あなたの毎日には どんな 笑いがあるの どんな涙があるの
聞かせてね 教えてね
懐かしいあの声で
ピンクの便箋と封筒 僕には似合わない花柄
今朝返事が来たよ 写真が一枚入ってた
すっかり大人になってた君がいたよ
かわいいというよりももう
きれいって言葉がよく似合うのは
時間の経過を物語ってる
下手くそな 文字の手紙 白い 紙の上に
涙を降らす あなたも同じ気持ちだった
春が来たなら きっと行くよ 君の街まで。