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どるとるの部屋


[7022] 夜明けのうた
詩人:どるとる [投票][編集]


今は夜の中まぶたの裏描いた太陽は
ポケットの中にしまっておこう

行き交う車も 途絶えることのない人足も
やがて静かに なり
あとはただ星がささやくだけ

しんと静まり返った真夜中には
誰かの願いを抱いた星が流れる

この夜を誰かが 待ちわびているとしたら
そわそわしながら ドキドキしながら

胸の中の引き出しを開けたり閉めたり
落ち着かない気持ちを煙草でなだめながら

遠い夜明けを 眠れずに 待ち焦がれてる

ずっと昔に聞いたおとぎ話の続きが
ふいに気になってしまった僕は

イメージをふくらまして夢の中に旅に出る 空想力がためされる
ありったけの想像力を総動員

珈琲で時間をやり過ごし 壁の時計とにらめっこしてる

この夜を誰かが 必要としているとしたら
なんでもない寂しさもまた味わい深い

夜明けの空は 僕らに何かを言いたげで でもそれは何かはわからなくて もどかしさだけが残る

光が街を照らせば カーテンがオーロラみたいに輝く

ふいに目をつむるととたんに やってくる闇に
僕らは 何を恐がるのか
こんなにも 優しい夜が
今まであったでしょうか
僕は 今まで見えなかった世界に気づく
ほら 耳をすませば聞こえる おはようの声

この夜を誰かが 待ちわびているとしたら
そわそわしながら ドキドキしながら

胸の中の引き出しを開けたり閉めたり
落ち着かない気持ちを煙草でなだめながら

遠い夜明けを 眠れずに 待ち焦がれてる

待たなくても必ず明ける夜なのに

朝を探して 一足先に羽ばたく翼。

2015/12/14 (Mon)

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