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どるとるの部屋


[7040] おとぎ話
詩人:どるとる [投票][編集]

手のひらを本みたいに広げて
イメージをふくらましてごらん

目を閉じた暗闇に まぶたの裏で描く光
想像力さえあれば世界には終わりなんかない

再現なくどこまでもその手を伸ばして
つかんだ太陽をその胸に引き寄せて

泣いて笑って ただそれだけのストーリー
晴れ渡ってたまに雨が降って 雷が光って

止まらないスピードで磨耗する命を奮わして

もっと感じたい 生きていることを

おとぎ話の結末を期待しちゃいけないよ

現実は血なまぐさく残酷なものだから

おとぎ話のようにはうまくはいかないよ

だから、悲しいときには泣けばいい

うれしいときには 笑えばいい

ありふれた生き物のままでいようか

大地に根を張る 木のように空を見上げていたい

大胆に生きていくには
線からはみ出すくらいの力強さで



あらゆる常識を笑い飛ばすんだ 生半可な想いはいつしか
僕の宝物のひとつになったよ

若さは時に 足かせになるけどその寸足らずな気持ちは間違いなく即戦力になる

転んだ傷痕 その痛みのぶんだけ涙がある

だけど 痛みの向こうにあったのは笑顔だった

案外世界は狭いんだなって思ったよ

同じような思想 似たり寄ったりの概念

世界の大きさを決めつけてはいけないよ

思い込みは世界をつまらなくしてしまう

昨日の続きから始まる世界に朝が来て

まっさらなページにも消えない痛みが

だから、ずっと僕は忘れられないんだよ

悲しいことは悲しいままで

うれしいことはうれしいままで

同じ気持ちであの日を思い出す

向こう側まで透けて見えるビー玉みたいに 純粋でいたい

せめてこんな世界なら 少しの嘘も憎んでいたい

悪は きっと妥協した瞬間に悪になるんだ

今さら気づいたことがあまりにも多すぎる
僕は いつも人より少し遅れて 過ちに気づく。

2015/12/18 (Fri)

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