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どるとるの部屋


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詩人:どるとる [投票][編集]


不思議な夢を見た
そこでは蝶は蛹にかえりなんと生まれたのは芋虫だった
赤ちゃんはあぐらをかいてお酒を呑む
電車は足が生えてて
いつも足音立てて
行ったり来たりするのさ ドアは大きな口

一家に一匹は飼われてる体長数メートルの二十日鼠
チューチューと鳴きながら飛び跳ねる
そのたび床は軋み
たまに抜けたりする

夢枕に立つのはよく知っているおばあちゃんじゃなく顔も名前も知らない
ひいひいひいひいひいおばあちゃん

そんなでたらめな夢の中なのに愛を感じるのは大好きな家族がいるからかな
どんな世界でも家族がいれば安心するのさ

空にはいつでも金平糖の流れ星が降り注ぎ
アメリカかぶれの太陽が陽気に道行く人道行く人に話しかける
お元気かい?ベイベー
英語はいつでも簡単な日常会話
アメリカかぶれにしてはかぶれ方が半端すぎる

現実からはるかに離れた夢の中で僕は現実以上に夢見ている

不思議な夢の中で不思議な気持ちになって不思議な運命に身をまかす

胃液の川を笹舟で渡り夢から覚める
夢から覚めればそれが夢だと気づけるさ

窓の外 広がってる
憂うつなほどくそ真面目な世界に僕は涙を禁じ得ない

さよなら 今日の日の悲しみよ 喜びよ
ふざけてるように見えても心にはたくさんの重荷を抱えてるんだよ
つらいんだぜ
思うよりも
悲しいんだぜ
夢を見たあとの
あの気持ちは

手を伸ばした
伸ばしたはいいけど
でもつかんだものは空気
伸ばした手が空を切る
夢の後始末をしよう
ため息で幻を吹き飛ばしてカーテンを開け放して現実を眺めよう

夢のような夜のまやかしにさんざんもてあそばれたあとで見る微々たる街の景色はとてもやさしくて涙をさそった

朝陽が目にしみたのさ
言い訳も笑ってゆるす君が今僕にコーヒーを差し出す

そんな朝に見つけた
もうひとつの夢。

2009/12/15 (Tue)

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