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どるとるの部屋


[7064] 明日この街に雪が降るなら
詩人:どるとる [投票][編集]


今にも雪が降りだしそうな空

この街に ジングルベルが鳴る頃には

天気予報がしらせた 明日の天気は
「概ね全国的に雪になるでしょう」

待ちわびたあの夜が誰かの胸のざわめきを
ひとつずつ丁寧に白く染めていく

空に差し伸べた手のひらに
こぼれる雪のかけら
少しの温度ですぐに解けてもう跡形もない

もしも明日この街に雪が降るなら

そう願ってた僕の祈りが
空に届いたのかなあ

なんて笑う 僕のその手には

目には見えない幸せが輝いていた

つないだ手のぬくもりだけで

どこまでも飛べそうな気がしたよ

朝、目覚めたら雪が積もっていた

枕元のプレゼントを開けてごらん

寝てる間にサンタクロースがくれた
大きな箱につまった宝石の数々

ホームに 風の羽ばたき 凍えそうな寒さ 窓硝子が溜め息で曇る

瞼の裏に映った 消えては浮かぶイメージ

君が僕の心に書き残した置き手紙

もしもこの思いが君に届いたなら

今すぐ 君を抱きしめたい
今夜も眠れそうにない

でももう出会うことのない二人

交わした最後の口づけは

二度と出会えない別れを意味した

つないだ手のぬくもりだけが

今もかすかにこの右手に燃えている

さよならと 窓ガラス越しに 呟いたのに

声は 届かず 閉まったドアの向こうで

思い出が遠ざかるのを見ていた

僕は君くらいに 愛した人はいないけど

遠い街でそんな人とまた出会えるかなあ

もう冬は 銀色の翼を広げて 僕の知らない季節に
飛び去ろうとしてる

空に差し伸べた手のひらに
こぼれる雪のかけら
少しの温度ですぐに解けてもう跡形もない

もしも明日この街に雪が降るなら

そう願ってた僕の祈りが
空に届いたのかなあ

なんて笑う 僕のその手には

目には見えない幸せが輝いていた

つないだ手のぬくもりだけで

どこまでも飛べそうな気がしたよ。

2015/12/23 (Wed)

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