詩人:どるとる | [投票][編集] |
通り過ぎてく毎日の景色に重なるように
増えてく思い出を 指折り数えてみる
いくらでも変わる 色褪せながらも
色づいていく 感情に気づきながらも
気づいてないふりで笑い転げた日々
駆け抜けた 長い この夜を
笑ったり 泣いたりして
ありふれた 言葉ばかりが
雨のように 降る 涙に濡れた僕らは
時間から はみ出した場所で
その日暮らしの 猫になる
路地裏に消えた尻尾にまだら模様の
見覚えのある黒と白のしましま
旅立ちにはいささか向いてない
風の強い日に 舞い上がった木の葉
見送る言葉もなく僕はただ見てた
吹きさらしの 部屋に 寝転ぶ退屈が
のさばる日曜日の戯れ言
テレビジョンに映る暮らしは
絵に描いたようなシルエット 僕らは
約束を交わしたことも忘れて
のんびりと空をお散歩 雲になる
いくつもの嘘にまみれた 本当を
言い尽くしたあとのだんまりを
言い訳とは呼ばないでねと
さらっと 泣き言ひとつ 情けないね
駆け抜けた 長い この夜を
笑ったり 泣いたりして
ありふれた 言葉ばかりが
雨のように 降る 涙に濡れた僕らは
時間から はみ出した場所で
その日暮らしの 猫になる
その丸い瞳に映るオレンジ色の夕日が沈んだら
人いきれの中を帰る ただのさみしがりやになればいい
あとは君がなんとかしてくれる。