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どるとるの部屋


[728] コートの襟を立てる季節
詩人:どるとる [投票][編集]


見渡すかぎりの銀世界
今 僕が見てる景色を大げさにいえばまあそんな感じでありましょうか
僕をふるわせる寒気
小さな町の小さな一戸建ての中
僕はこたつに入って
手だけといわず全身がピカチュウみたいに黄色くなるくらいみかんをむさぼり食ってる

やがてどこか寒いけど出かけたくなって
木枯らし 北風 吹く
町へとびだした
宛てもきめずに

いつのまにかやってきた真冬の到来
思わずコートの襟を立てずにはいられない季節です
冬を感じさせるだろう
襟をちょっと立ててみれば冬が来たなと思うでしょ
油断していたから
不意をつかれて氷づけ

吹きつける風は とぐろを巻きながら
横から 下から
いたるところから僕に体当たりしてくるよ

それでも冬はなんかいいね
毎年思うよ

コートの襟を立てる季節がだんだんと寒くなる冬を際だたせてゆくたびに
僕はまたひとつ誕生日も過ぎて大人になってるのに
何ひとつそれらしい変化は見受けられずにいるのにニヤニヤ笑ってる

そんな真冬のとある
1ページ
強風が高波をあおるように
大きな転機が僕を高揚させる
お年玉に おいしい正月料理
そればかり 考えて
何を買おうか 食おうかと笑ってる

コートの襟を思わず襟がなくても立てたくなるような季節に
僕は風とひとり話してる いつまでもいつまでも絶えない笑顔を顔面にはりつけながら
僕はありもしない襟を立てる

少しは大人に見えるかな?

2009/12/18 (Fri)

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