詩人:どるとる | [投票][編集] |
つけっぱなしのテレビ画面に走る
ノイズのような日常を汚すシミだ
さっきまで吸っていたタバコが
灰皿の上で悩ましく煙をあげてる
めったに泣かない僕が泣いたのは
誰のせいでもないがとりあえず お前のせいだってことにした
思った途端飛んでゆく急ぎすぎの両足
色とりどりの星を降らせるこの夜に
どこまでも青の世界に沈んでく心
もう 帰らない このまま僕らは散り散り
人混みにあてられて酔ったようになる
どこかで見たことがあるような景色だ
ここにあるものすべてが世界のすべてなら
何も苦労しないのに
窓の外に 暮れかけたオレンジの 空が
雲をはべらせて 僕の胸まで赤く染める
疾走感に酔いしれたままの程度の低い頭
それは未来を照らすささやかな光です
昨日見た夢の続きをまた 反芻してる
もう わからないよ 夜の先が見えない
野良猫のように軒先を さまよえば
絶望を具現化したような 世界には
希望なんて不必要なものなのかなって
ちょっとだけ やさぐれた
思った途端飛んでゆく急ぎすぎの両足
色とりどりの星を降らせるこの夜に
どこまでも青の世界に沈んでく心
もう 帰らない このまま僕らは散り散り。