詩人:どるとる | [投票][編集] |
名前もない思いが街灯に照らされて浮かんでは消える
まばたきしたら 今にも消えてしまいそうな
かすかな輪郭でぼやけながらやっとそこにいる
僕は大多数の中の たった一人の人で
目立つつもりもないけれど
存在する一人として
声を 上げて叫ぶんだ
笑っている 泣いている
確かに生きている
雑踏の中から 足音を紛らせて 身を縮ませて生きている
匿名希望と書いた 掲示板のスレ
顔の見えない会話
安い言葉で 繋がったように 思い込んで孤独を否定する
僕は 命ある一人の人として 立っていたい
生まれ持った名前を 誇りにできるかい?
空を見上げて みるんだ
迷いながら 悩みながら
確かに 生きている
どこに向かっているのだろう
宛もなくめぼしい夢もない旅だ
それでも
僕は大多数の中の たった一人の人で
目立つつもりもないけれど
存在する一人として
声を 上げて叫ぶんだ
笑っている 泣いている
確かに生きている。