詩人:どるとる | [投票][編集] |
機械の体を 手に入れても きっと
僕らは 心から幸せになれない
働く喜びを その辛さを見失ってしまう
生きる 糧を 流れる血潮を感じれなくなる
レントゲンは いつもむき出しの鉄の骨
皮は柔らかく伸縮性のある素材
絵に描いても写真を撮っても 型通りの笑顔しか 浮かべられない
機械の言葉は プログラムをなぞるだけ
僕の中に百万通りのバリエーション
感情を読み取るよりもバーコード
繊細な感情を捨ててしまった脳髄が
頑なに人間だった頃の記憶を守るのは
命のあり方を心が否定するから
自分という存在が間違いであるために
機械の心臓が 高らかに脈動するたびに
「ジブンハナンノタメニイキテイル」と問いかけては
油の涙を 手のひらに溢れるほどにこぼすだろう。