詩人:どるとる | [投票][編集] |
意味もなく ささったままのコンセント
一瞥するだけで見渡せるだけの狭い部屋に憩う
手をつないだり離したりするだけの
つまらない上にありふれた日々が過ぎる
逃げるように 遠ざかる 時計の針を
追いかけても 捕まえられないのさ
誰かにとって 何気ない時間も
ほかの誰かにはきっと かけがえのない時間で
あっという間になくなるこの ちっぽけな数分が 熱いコーヒーの中で溶ける砂糖の役割を果たすなら
甘さはまだ 余韻のように僕を 幸せから解き放たず
路地裏に 落ちる光と影の対比
猫のあくびと まだ解き明かされてない 宇宙の不思議
雑誌の付録に 残念がる君を眺めているこの時間もまた 味わい深いものがある
レコードは回る 盤面に刻まれた コードを読みながら メロディがあふれる
曖昧だった感情が少しずつ色を 帯びてくのを どこかで 感じながら
今だけは 時間が止まってほしいと 願う
容易にコーヒーを 軽く二三杯は飲めてしまえる数分で ささやく愛は
いまだかつてない 酸味を残すから 恍惚の表情で 受けて立とう
星のような輝く言葉探してる その途中で出会った二人は
いつの間にか 同じ空を見上げて 誓いあったよ
誰かにとって 何気ない時間も
ほかの誰かにはきっと かけがえのない時間で
あっという間になくなるこの ちっぽけな数分が 熱いコーヒーの中で溶ける砂糖の役割を果たすなら
甘さはまだ 余韻のように僕を 幸せから解き放たず。