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どるとるの部屋


[7696] 見上げれば夜が
詩人:どるとる [投票][編集]


徒然なるままに 日々はただ流れ行き

落ちてゆく砂時計 時間のエンドロール

小説の前書きのような前菜を称する

味気ない退屈の 箇条書き つらつらと

誰かの死を 報じるニュースも

もはや珍しくもなく寧ろ毎日のように

終わらない 不幸の連鎖の足跡を残す

こんな汚れきった世界でも見上げれば

そこに夜があって 輝く星の一粒が

いくつも闇に 浮かんで銀河も渦を巻く

愛を忘れた心が 優しさを 思い出す

心は がらんどう 余計なものはない

今なら君を 愛せる気がする

シャッター商店街も夜は 幻想的だ

隙間に落ちる光が 青白く 尾を引いて

そこに物語が あらすじを刻んでく

風が記す 命のいとなみ

こんな汚れきった世界でも見上げれば

そこに夜があって 輝く星の一粒が

いくつも闇に 浮かんで銀河も渦を巻く

愛を忘れた心が 優しさを 思い出す

心は がらんどう 余計なものはない。

2016/04/23 (Sat)

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