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どるとるの部屋


[7729] ラストウェディング
詩人:どるとる [投票][編集]


教会の前を 歩いたとき 白いドレスの
花嫁に いつかの僕と君を重ねてた

今は手をつなぐ人もいないけれど
あの日鳴った鐘の音
飛ばした白いハト
色とりどりの風船

結構覚えてるもんだな 忘れないものだな

あの日は生憎の曇り空で 少し寒かった
銀の指輪 薬指にはめてあげよう

夕方あたりから降りだした雨に
負けない二人になろうって誓った
ラストウェディング

バージンロードを歩くのは緊張するわ
そう笑ってた 君の横顔が思い出される

僕は白い髭をたくわえてパイプをふかす
顔にはシワを刻んで
同じ数だけ 歳を重ねられると思ってた

でも、そんな小さな願いさえ叶わなかった

君が好きだった海に来たよ 波が打ち寄せ
白い砂浜に 誰かが書いた絵を消してく

空をキャンバスにして君の顔を僕の心が描いてゆく
上手くは 描けなかったよ

会いたいと願ってしまえば きっと
生きることさえ 辛いだけになるから

君がくれた思い出を消さないように
海に灯る 一本の蝋燭 そんな灯台みたいな
たったひとつの 希望を胸に羽ばたくよ

あの日は生憎の曇り空で 少し寒かった
銀の指輪 薬指にはめてあげよう

夕方あたりから降りだした雨に
負けない二人になろうって誓った
ラストウェディング 。

2016/04/28 (Thu)

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