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どるとるの部屋


[7780] 片道だけの乗車券
詩人:どるとる [投票][編集]


どうしてくれるんだ 愛されたために
僕は また弱くなったよ

人に愛されることを知って
はじめて知った人を愛する気持ち

君がいなくなった部屋を見渡して思う
この部屋はこんなに広かったんだな

君の名前を呼んでも聞こえない あの声
もういい加減 待ちくたびれたよ

いつまでも 来ることのないバスを待つ
握りしめているのは片道だけの乗車券

宝物にしていた恋愛切符のおまじない
神様に頼むんだ 信じていないけど

君がよく書いていた日記帳は
数年前の日付で止まっている

笑いの絶えなかった毎日なのに
今は笑うことにさえ体力を使うよ

君が好きだった 海に来たよ 気晴らしに
波が砂浜まで打ち寄せて また引いてく

忘れてしまえたらどんなにいいだろう
だけど楽しい思い出まで忘れていいのかな

こんな思いをするために 重ねた思い出じゃない

こんなことなら出会わなければ なんてことも思ったよ

でも瞼を閉じて 思い描く君は そんなことを望まない

どうしてかな 笑ってる顔が最近 思い浮かばないや

自分の幸せを蔑ろにして生きているからかな

掃除でもしようか 散らかった 心ごと

君の名前を呼んでも聞こえない あの声
もういい加減 待ちくたびれたよ

いつまでも 来ることのないバスを待つ
握りしめているのは片道だけの乗車券

僕だけが幸せになる未来なんていらないけれど いらないなんて
言ったなら いつまでも君は笑ってくれないよね
だから一歩踏み出すよ 君がいなくなったあとの物語の続きから。

2016/05/06 (Fri)

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