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どるとるの部屋


[7788] キリンの滑り台
詩人:どるとる [投票][編集]


風になるイメージで走ってみたよ
踏み出したその瞬間からもう
僕の体は 僕のものじゃないみたいだ

ページを 次から次にめくっていって
やがてたどり着く 終わりまでは
どうしても終わらせたくないストーリー

ひらひらと花びらが舞う 児童公園
錆びた鎖のブランコと大人には少し小さいキリンの滑り台

春が終わったことにさえ 気づかない
鈍い心が 恋に落ちて僕にはまだ春が 見えている

好きな気持ちだけで飛べそうだ
空はよく晴れて おだやかな一日
悲しみなんてないような世界

本のあらすじを 追いかける眼差しが
ふいに心に止まる 一行
大切な言葉にしてしまおう

そこにあるはずの ありふれた気持ちに
手を伸ばすイメージでつかんだ
あなたの手をもう離さない

僕は今恋をしている 今までにないような恋をしている 箸が転んだだけでも面白い。

2016/05/07 (Sat)

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