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どるとるの部屋


[784] 僕はどうして泣いてるんだろう
詩人:どるとる [投票][編集]


日が落ちるか落ちないかの刻限
僕はなんとなく夕陽が見たくなってドアを開いた

今日1日でどれだけの涙を悲しみにも喜びにも流しただろう
まるで映画にでもできそうなくらい長い1日に
していたことはとてもありふれた1日だけど

つかの間の悲しみに今も笑顔を奪われたままじゃ家に帰っても笑えるわけないんだ

通り過ぎる悲しい映画のような場面が僕にはなぜかリアルに映ってその悲しみが完全に通り過ぎたころにはもう僕は涙でぐしゃぐしゃさ
他人にはなんのことなのかわからないだろう
だけれど僕には今通り過ぎていった悲しみだけで死にたくなってしまうほどなんだ
嘘なんかじゃないのさ

1日分のヒストリーひとつひとつ数えてみたらこの両手の指だけじゃ足りないほどたくさんの悲しみや喜びが僕の表情をいたずらするように変えていったよ
おかげで嬉しいのか悲しいのかわからない微妙な気持ちになったんだ

ところで僕はどうして泣いているんだろう
べつに悲しいわけじゃないし
とくにうれしいわけでもないのに
涙がとまらないよ
ああ 今まさに沈む夕陽が心のどこかで押し込めていた切なさをむりやり引っ張り上げるように涙という形で僕をぬらしたんだ

他人にはわからないだろう
僕がどんな気持ちで今日1日を過ごしていたかなんて
それはお互い様だろう
僕も他人の苦労や悲しみなんかわかりたくもないから
僕は僕の 君は君の
今をただわき目もふらず生きるだけだからあたりまえの話さ

今日1日の評価を自分でつけるとしたら
僕は僕の頑張りや涙を自分で否定したくないから
今日1日頑張った自分を素直にほめてあげたい

自分だけなのさ
こんなに優しくしてあげられるのは
だから精一杯ほめてあげたい
知りすぎた今日1日の涙や痛みも

太陽の熱がじかに伝わってきて心が妙に熱い
今日のページが捲られるまで気がすむまで泣くとしよう。

2009/12/28 (Mon)

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