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どるとるの部屋


[7896] 手紙
詩人:どるとる [投票][編集]


カレンダーの日付を物憂げに見つめてる
赤い丸印をつけた日付まではまだ遠い

たまの電話も寂しさを助長するだけ
会いたいって気持ちはかき消せない

僕の街は今日もあいにくの雨で
普段なら見えるはずの東京タワーも見えない

誰かと会話をしたければ
メールでもいいのに
まだまだこんなに時代が 流れても
ふれられる距離にいたいと思う

せめてもの悪あがきみたいに
会えない日々の寂しさを
手紙に書いてみるんだ
弱音だって 伝えたい
強がりだって 伝えたい
白い紙に涙が落ちた
インクのにじんだ文字 会いたいって思わず書きそうになってしまうくらいは 許してよ

距離にしたってちょっと電車賃を出せば
行けない距離じゃないのに会えないよ

会いたい理由を探すけど
いつの間にか会えない理由を探してる

忙しさに勝てない 真面目な僕が
少しでも 不真面目になれたらいいなって思う

同じ空を 見上げて同じ月を見てても
同じ気持ちにはなれそうもないよ
離れているぶんだけあまりに不自由だ

電話の向こうに イメージしてる君は
笑っているの?泣いているの?
出そうとしてやめた手紙だけど
今の僕らには気持ちを伝える手段は
悲しいほど これくらいしかないの
ちょっとした悲しさだったり寂しさが
文字の向こうに見えたならいいな

魔法も使えない 僕らには これが精一杯
一歩一歩近づいていく 距離を繋げていく気の遠くなるほどの作業

せめてもの悪あがきみたいに
会えない日々の寂しさを
手紙に書いてみるんだ
弱音だって 伝えたい
強がりだって 伝えたい
白い紙に涙が落ちた
インクのにじんだ文字 会いたいって思わず書きそうになってしまうくらいは 許してよ。

2016/05/31 (Tue)

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