詩人:どるとる | [投票][編集] |
発車時刻を間違えないように
腕時計とにらめっこしていたよ
切符はなくさないようにポケットへ
旅立ちの朝にふさわしい晴れた空
笑うように泣いて泣くように笑った
君の心を僕は今もわからないまま
行ったり来たりを繰り返す振り子の軌道
ホームに降りたって電車を待つ間
名残惜しそうにまだ来ないねなんて
君も僕もそわそわして落ち着かない
屋根に遮られて 陽射しが届かない
薄暗い隅っこで 別れの口づけを交わした
さよならの言葉は多分必要ないよ
いつかまた出会える日が来るから
今はその日までのしばしの別れ
寂しささえも出会った時の笑顔に変わる
君がくれたマフラーが風になびいてる
5月なのに季節外れもいいとこね
君はそう笑いながら言っていたよ
自分でも止められない思いなんだ
嬉しそうな悲しそうな曖昧な気持ちを
愛や恋だなんて言葉で片付けたくない
陽射しは些か強く夏を感じた 午後の街
君を思うこの気持ちをたとえば歌にして
届けたら悲しい別れにも微笑めるかな
さよならの日は 呆気ないくらい
あっという間に来てしまったんだ
ドラマみたいにはうまくはいかないね
待たなくても電車はもう来てしまう
こんなとき僕はなんて言葉をかければいいだろう
窓が閉まるまでのわずかな時間で
気持ちを打ち明けようとしたら
うまいタイミングで電車の窓は閉まる
これだけはなんだか作為的だね
名残惜しそうにまだ来ないねなんて
君も僕もそわそわして落ち着かない
屋根に遮られて 陽射しが届かない
薄暗い隅っこで 別れの口づけを交わした
さよならの言葉は多分必要ないよ
いつかまた出会える日が来るから
今はその日までのしばしの別れ
寂しささえも出会った時の笑顔に変わる。