ホーム > 詩人の部屋 > どるとるの部屋 > 希望という名の船に乗り

どるとるの部屋


[7951] 希望という名の船に乗り
詩人:どるとる [投票][編集]


僕の目や耳は なんのためにあるんだろう
そこにあるものをただ見聞きするだけなら

カメラのレンズでも役割は果たせるのに
そこには 感情は心や人の思いは介在しない

だから僕らはぼやけた世界にピントを合わせて

どんな世界でも 無理矢理に順応させる

「生きることってなんだろう」
誰もがその意味を探して生きている

高架下の 落書きと会話をする
閉まる踏切 沈んでく夕日 近づく夕闇

悲しみとつないだ手を 風が切るように
いつまでも泣いていないでと 鳴いた

現在地を 確かめて足元を疎かにしてた
ボロボロのスニーカーを脱ぎ捨てた

新調したのは 真っ白い汚れひとつない スニーカー
歩いて行こう 地図にない 未来まで

覗き込んだ 望遠鏡から 見た未来は
今は 遠くてまだ見えないけど

きっと夢を誰もがひとつは持っていて
そのために 今を生きているんだろう

唇をかみしめて 生きている苦しみや
痛みと向き合う時にだけ自分になれる

思い出は大切だ でも振り返ってばかりじゃ進めない
だから僕の目はいつも前に向いている

生きていることと 生きていくことは違う
ただ息を吸い込み吐き出すことは生きていることじゃないよ
大切なのは船に乗ることではなく
船を漕ぐことで ただ生きていることが生きていくことになるんだ
君もまた希望という船に乗り夜明けを目指す 旅人

「生きることってなんだろう」
誰もがその意味を探して生きている

高架下の 落書きと会話をする
閉まる踏切 沈んでく夕日 近づく夕闇

悲しみとつないだ手を 風が切るように
いつまでも泣いていないでと 鳴いた。

2016/06/12 (Sun)

前頁] [どるとるの部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -