詩人:どるとる | [投票][編集] |
その日は社長を含めた上層部の社員一同が会議のために一日中会議室に籠っていた。
社員のオギクボはなんの会議をしているのだろうと聞き耳を立てるが、中からはなんの音も聞こえない。
声を出さずに会話が出来るのか。ドアを挟んでいるとはいえ声が聞こえないのはおかしい。
ついには社員の数名がその会議の内容を当てようと賭けをし出した。
ある奴は社運をかけたプロジェクトの会議だとか
ある奴は社内旅行の行き先を決める会議とか
ある奴は社長を含めた上層部連中はみんな悪の組織のメンバーでひそかに地球征服を企んでるとか
いろんな憶測が飛び交うが、
オギクボは会議の内容を誰より先に知りたかったので会議が終わるまで残業をすることにした。
一人も中から出てこないところを見ると会議はまだ続いているようで、12時になっても会議は終わる気配はない。
さすがに辛抱の出来なくなったオギクボは叱られることを覚悟でドアを少しだけ開けて中を覗いた。
するとなかには誰一人いない。それどころか真っ暗で何も見えない。
首をかしげていると次の瞬間、部屋は明るくなった。そこは会議室ではなく何ヘクタールもありそうなだだっ広い場所だった。
何十分か歩くと上から急に巨大なモニターが降りてきて
「おめでとう。あなたが被験者に選ばれました」
科学者らしき男はそう言うと不気味にフフフと笑った。
なんのことだと聞くと
くじ引きで全国にある会社や店舗、個人宅の中からいくつか選ばせてもらい被験者をその中から抽選にて選ぶ方法をとっていたのですが、秘密会議という餌でネズミのように人を誘き寄せたわけです。
被験者とは何かを訪ねると
実は今、今だかつてない最も凶悪な殺人ウィルスが見つかったのですがそのウィルスには人一人ぶんの血液があれば血清をつくれるので一人の犠牲で地球は救われるのです。しかし誰もすすんで協力はしてくれない