ホーム > 詩人の部屋 > どるとるの部屋 > 愛を歌うフォークギター

どるとるの部屋


[8049] 愛を歌うフォークギター
詩人:どるとる [投票][編集]


薄化粧をしたような空を見上げながら

二人は言葉もなく 歩数を稼いでゆく

寂しさを埋めていくのはなんだろう

そこに吹く風にせめて形があれば

目には見えない あなたの傷の痛みに

気づくことが出来るのに

大事なものが何も見えない目には

輝くものしか映らない

大事なものを聞き逃してしまう耳は

きれいな声しか聞こえない

「大丈夫」や「愛してる」をかぞえて

不器用に 手間取りながらも続いてく

未来の二人も 変わらないように

描く幸せは ほどほどにしておこう

たとえば 傍らに寝そべる猫や

窓の向こうの空を 見習って

ありふれていようと笑ったら

明日も また今日と同じ僕になれる

父の形見のギターで歌うのは そんな歌。

2016/07/14 (Thu)

前頁] [どるとるの部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -