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どるとるの部屋


[8061] 砂時計
詩人:どるとる [投票][編集]


途方もなく 積み重ねられた
いくつもの物語の中で生きている

泣いたり笑ったりしながら
それぞれの時計は限りある時間を刻む

短い一生もあれば長い一生もある
僕の人生はあとどれだけ残されてる?

忘れないよ 大切なたくさんのあなたと刻んだ時間を
とりとめもない時間さえちゃんと思い出になってく

どんなに愛していても 時に残酷に奪われる命がある
いつまでも一緒にはいられないことくらいわかっている

回る地球の スピードにあわせて
夜と朝が 繰り返しやって来る

たまには喧嘩したりもする
離れた寂しさが教えてくれるものがある

普段は気づかないけど今わかったよ
一緒にいれないだけでこんなに寂しいこと

それは時間を旅する旅人が記した百年あまりの物語
足跡は見えないけど見上げた空にも 刻まれる

人は争う生き物だけど 理由もなく人を傷つけるよりずっと
なりふり構わず人を愛するほうが 僕には似合っている

雨はか弱い人の上にも降る
泣いてしまうだろう
運命をうらむだろう
でも憎しみからは何も生まれない
強くなるには 悲しみの先にある
喜びに 向かって歩き出す勇気を持つこと

忘れないよ 大切なたくさんのあなたと刻んだ時間を
とりとめもない時間さえちゃんと思い出になってく

どんなに愛していても 時に残酷に奪われる命がある
いつまでも一緒にはいられないことくらいわかっている

一人にひとつ用意された砂時計が
少しずつ落ちるのをなんとなく
感じながら最後の一粒が落ちるまで
僕は何かを信じていたい
僕は何かに信じられていたい。

2016/07/19 (Tue)

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