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どるとるの部屋


[8088] 親愛なるあなたへ
詩人:どるとる [投票][編集]


普段は 気づかないのに どうして
離れたときにあなたをより近くに 感じるのだろう
今では恥ずかしくて 手もつなぐこともなくなった
あなたの手はどんな大きさで
どんな形で どんな手ざわりをしていただろう

僕の思い出の中にある いくつもの
あなたのイメージを どれひとつ 忘れないように何度も思い出すから

笑っていた顔も 泣いていた顔もあなただ
だから好きも嫌いもないよ
でもわざとらしく口にする 「愛してる」
そんな言葉 恥ずかしげもなく 本当は言いたいんだ
親愛なるあなたへ

あなたの子供に生まれて もう数十年の
年月が 経ってしまいましたが
長かったのかな それとも短かったのかな
それは 人によって様々だろうけど
僕には そのどちらにも思えるんだよ
だから答えは はぐらかさせてもらうよ

真っ白なノートに 描いた 一本道
レールから外れないように歩いても
いつの間にか 叶えたい夢だって変わった

泣かせた僕も 笑わせた僕も僕自身だ
困らせたり 手を煩わせたりした
僕でも見捨てずにいてくれたあなたがいる
「ありがとう」 そんな一言じゃ伝わるはずもない感謝
それでも伝えたいんだ

幼い日、はしゃぎすぎて木から落ちた
僕をあなたは
失敗したときは傷痕になるんだよと
目に見える傷痕ならまだましだと 笑ってたのを覚えてる
それがわかったのは大人になってからだ

笑っていた顔も 泣いていた顔もあなただ
だから好きも嫌いもないよ
でもわざとらしく口にする 「愛してる」
そんな言葉 恥ずかしげもなく 本当は言いたいんだ
親愛なるあなたへ。

2016/07/24 (Sun)

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