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どるとるの部屋


[8099] プラネタリウム
詩人:どるとる [投票][編集]


もう一歩も 歩けそうにないや
いつになく弱気になっている

人気ない夜明け前の街を歩いて
広げた地図には近道なんてなかった

幸せは いつも思うより遠くて
夜空に輝く星のように
手を伸ばせば 届きそうなのに 指先さえふれられない

雨はただ すべての人を濡らすために
今日も あなたの頭の上に降って

同じだけの喜びを悲しみに紛らせて
簡単にはわからないように隠してる

見上げた空に 星がひとつ流れたとき
夜空は特大の プラネタリウムに見えた

遠い昔の話を 誰かが聞かせてくれる
ロマンという言葉では語り尽くせない

間違ってることやただしかるべきこと
その一つ一つに注意深く目を配って

けっして おごらず自尊心に溺れず
怠惰な 日々に負けないように
ときには 苦しみに見舞われてみる 痛みに見つける光

神様なんて きっと探してもいないよ
救いがほしいなら強くなることだ

希望なんて ないとは言わないけれど
ただ泣くだけなら今じゃなくてもいい

たまに見えるくらいが幸せなんだよ
今は雨が降りやむのをひたすら待つんだ

夜が明ける まばゆい光に照らされる街
寝坊助の猫も あくびしながら目覚める

今日はどんなことがあるのだろう
不安もあるけど期待のほうが大きいよ

雨はただ すべての人を濡らすために
今日も あなたの頭の上に降って

同じだけの喜びを悲しみに紛らせて
簡単にはわからないように隠してる

見上げた空に 星がひとつ流れたとき
夜空は特大の プラネタリウムに見えた。

2016/07/27 (Wed)

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