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どるとるの部屋


[8230] 手紙
詩人:どるとる [投票][編集]


今日僕らは この場所でさよならをする
もう二度と 会わないつもりなんだ

重ねてきた思い出も忘れたふりをして
小さく手を振る君に僕も手を振る

今日が何日の何曜日だとか
そんなことさえ考える余裕もない

ずっと当たり前に続けてきた毎日が
こんなにも簡単に終わってしまうなんて

少しずつ時間をかけて 育んだ愛が
やっと縮めた距離が
無理にでも会いたいと思っていたのに
いつからか会うのが辛くなってしまった
最後に渡した手紙には ありがとうとだけ 書きました

ぐずついた天気のせいで心まで薄曇り
八つ当たりももうしなくて良さそうだ

数えきれないくらい喧嘩したよね
でもそれももう 願ってもできない

仲直りしたときのこの上ない喜び
多分僕はあの時ほど笑ったことはない

離さないようにつないでたはずの手を
僕から少しずつほどいていく

何気ない言葉も すれ違う気持ちも影のある横顔も
見逃さなかったはずの僕が 今はまるでどうでもいいみたいに
こんな僕じゃ君を愛すことなんか できない

季節が 移ろいまた ひとつ
暦はめくられて
昨日咲いてた 花も散っていく
ふと君を思う 心の片隅で
輝いてた日々が 間違いなく 幸せだった
その残り香が 思い出をここにとどまらせてる

ずっと当たり前に続けてきた毎日が
こんなにも簡単に終わってしまうなんて

少しずつ時間をかけて 育んだ愛が
やっと縮めた距離が
無理にでも会いたいと思っていたのに
いつからか会うのが辛くなってしまった
最後に渡した手紙には ありがとうとだけ 書きました。

2016/09/10 (Sat)

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