詩人:どるとる | [投票][編集] |
おばあちゃん
あなたは 偉大な人です
そのしわくちゃな手で僕を撫でてくれた
座布団に 座って
縁側で日向ぼっこ
時々 思い出したように空を見上げ笑う
あなたがくれる 言葉は 魔法のようだ
僕の傷痕に 薬のように染みていく
あなたといつか別れるなんて
思いたくもないけど
あなたと手をつないで帰ったあの夕暮れの空の色を 忘れない
忘れたくない
大好きな 人を疑う気持ちなんか 知らない
信じてそして裏切られるなら本望だ
ただ一人の 僕のおばあちゃん
世界でただ一人
残された記憶は 引き出しの中の
短くなった 鉛筆
かすれた 飛行機雲と 立て付けの悪い窓
おばあちゃん
あなたは 偉大な人です
しゃがれた声で僕を幸せにしてくれた
切り株の年輪のような
長い 年月を重ねて
思い出を 僕の心にくれました
ありがとう
それくらいしか
言えないよ。