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どるとるの部屋


[8335] ベガ
詩人:どるとる [投票][編集]


何万光年も 離れた場所からでも光は届く
ふわり君の髪の匂いを夜が包んでいる

名前も知らない星の光を追いかけて
追いつける筈もないのに走る

数えきれない星が夜空を埋め尽くして
誰かの願いを運び届けてくれる

銀河を走る 列車の窓から見下ろした
遠くなる 街並みは彼方に消えていく

あれはなんていう星なのかしら
君が指差した先には輝くベガ

ずっと昔に 見た 少年と美女が旅する
物語の中に 出てきたよ 銀河を走る鉄道

君は ページをひとつめくって微笑んだ
大好きな季節の到来を待ち望みながら

いつかたどり着く夢の終わりにある
結末というやつに今もおびえている

銀河を走る列車の窓から投げ捨てた
涙は 星になって夜空に輝いた

宝石みたいに 輝いた 名前もない星よ
まだ知らない明日を まばゆく照らして

引かれた線を なぞるように
歩いてきたけれど
ここからは 道を外れて
少しだけ 危なげな旅だ

数えきれない星が夜空を埋め尽くして
誰かの願いを運び届けてくれる

銀河を走る 列車の窓から見下ろした
遠くなる 街並みは彼方に消えていく

あれはなんていう星なのかしら
君が指差した先には輝くベガ。

2016/10/10 (Mon)

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