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どるとるの部屋


[8392] 夜明け前
詩人:どるとる [投票][編集]


少し薄曇りの朝 眠気覚ましに珈琲淹れて
変えたばかりのカーテンを開け放つ

まだ 夜明け前の町並みは 静かなもんで
人通りなんてない 飼い猫も 夢の中

寒くないようにジャンパー羽織って
まだ星が見える空を あおぎながら

川の流れなんかに 澄んだ 空気に
風が運んだ朝の匂いを吸い込んで

答えのない答えあわせを していた

耳にはイヤホン 大好きなボブディラン
ニュースの ラインナップを確認してんだ

地図を頭に浮かべてあてもなくイメージを
泳がせて夢の中で 遠い場所にも行った

こぼれそうな涙を 手のひらにすくって
この夜空に 残らず流してしまおうか

まぶしい光に 出会ったら 言うよ
おはよう 返事はなくても言うよ

そこに昨日と同じ朝があるのなら

行ったり来たりの振り子のように
また振り出しに戻っては
スタートラインに立って
歩き出す背中を 朝日が照らした
かすかなぬくもりが 僕を なぐさめる

寒くないようにジャンパー羽織って
まだ星が見える空を あおぎながら

川の流れなんかに 澄んだ 空気に
風が運んだ朝の匂いを吸い込んで

答えのない答えあわせを していた。

2016/10/30 (Sun)

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