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どるとるの部屋


[8400] あした
詩人:どるとる [投票][編集]


雨が止んだら 傘をたたんで 君の顔を
覗きこんで いたずらそうに 笑う

風が運んだ花びらの行方なんかは
新聞にも書いてないから死ぬまで わからない

長い髪をひとつに 結んだ君の 襟足を
風が 撫でたら 言うんだ この気持ちを

僕らは 他愛もない会話をしながら
途切れないように会話をつないでく

リレーのように見えないバトンを渡して
いつの間にか はぐれるとも知らないで

それぞれの未来が 口を開けて待ってる
どうやらここらでもう さよならだ

見えない あしたを イメージで汚しながら
あるいは 飾りながら 不安をあざ笑った

僕らは 愛という言葉も知らないうちから
唇を 重ね合わせる意味を 悟っていた

宛もない 僕らは ただ疲れるまで歩いて
途切れた遊歩道 振り返る先に揺れる 街明かり

答えのないことをいつまでも 話した

途方もない先の未来なんて
僕らにはまるで他人のことのようで

長い夢から目覚めた僕は気づいた
思ったより いろんなものを
なくしていたことに
でも同じだけ 何かを手に入れたということも

僕らは 他愛もない会話をしながら
途切れないように会話をつないでく

リレーのように見えないバトンを渡して
いつの間にか はぐれるとも知らないで

それぞれの未来が 口を開けて待ってる
どうやらここらでもう さよならだ

望まなければ会うこともないだろう
だから さよならだ。

2016/10/31 (Mon)

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