詩人:どるとる | [投票][編集] |
夜明け前の 町は死んだように静かで
たったひとつの音さえ 聞こえない
君が口ずさむ 名前もわからない歌
風に乗せて どこかに流れていった
窓の外を過ぎ去る風景を見てる
過ぎた時間は もう戻らないと知る
夜が明ける少し前の町が好きだよ
息を押し殺して 何かを待つように
明日と 約束もせずに待ち合わせ
目覚ましを止めたのは右手だった
左手は 何かを 離さぬようにつかんでる
同じフレーズを繰り返しながら思い出す
遠い昔の 懐かしい歌の 素敵な言葉
レコードは回る 物語を 紡ぎながら
空の下であくびする君を 見てる
今までの世界を 塗り替えるほど
世界は 次第に生まれ変わっていく
膨らませたイメージが 色褪せなければ
思いは 伝えようとしなければ
伝わらないものだと君は言う
でも 言葉で伝えようとすると
うまくいかないから僕は 口を 閉ざした
かわりに 耳を すました
夜が明ける少し前の町が好きだよ
息を押し殺して 何かを待つように
明日と 約束もせずに待ち合わせ。