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どるとるの部屋


[8522] 夜明け前
詩人:どるとる [投票][編集]


ページをめくるように また 今日が明日になって
明日が 明後日になって
季節も変われば 気持ちも変わっていく

変わらないことなんてひとつもない
でも変わらないことがあれば いいなと思う

何にもやることが 見つからない
日曜日の 昼下がり

ただ空を 見上げるこの時間が
忘れていた気持ちを教えてくれた

生きていると気づいたとたん世界が 眩しくて
ありふれたことも 片っ端から 特別になる
そんなこんなで過ぎてく毎日を
指折り数えて 目覚めてはまた眠る
夜が明けて また日が沈んで
家路を急ぐ 夕暮れ
時間と おいかけっこしながら
追い付かれないように逃げるけど
いつも気づけば 追い越されている

嬉しいときも 泣きたいときもある
そんなときは素直に笑ったり泣くことだ
気持ちに嘘をつく必要がないなら

春が飛んでいる 緩やかな日差し
僕は素敵な言葉を探してる

昨日までは 気づかなかった 喜びに
今日出会えたことを誰が知るだろう

昨日の僕だって知らなかった

まだまだ 笑えるって気づいたとたん 明るくなった
涙なんて笑うためのついででいい

性懲りもなくまた すぐに 立ち直る
自転車飛ばして 何処でもない何処かを
目指して走る 夜明け前
悲しみに追い付かれないようにと
走るけど 気づけば悲しみはすぐ後ろにいる

ふっと吐き出す吐息が 白くなる
この分じゃもうじき雪が降るだろう
寒さを 緩和するように ポケットに忍ばせた手を
握ってくれる 誰かの手を探す
僕が 自分以上に大切に出来る誰かを 見つけたときに
見つかるだろう 温かい手を探しているんだよ。

2016/12/17 (Sat)

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