詩人:どるとる | [投票][編集] |
逆さまの月の光に照らされ 浮かぶ君の顔
水面にうつる月を見ている僕はひとり立っている
少しまだ寒い風に吹かれている
僕の心は今色でたとえたら群青色
ああ 戻らない時を惜しみ やり残したこと思い出し水面の鏡に己をうつしそこに見えた自分に語りかける言の葉はいつも角のない優しい響きをもつ
久しぶりに真面目なことを思ったけど
思っただけで何も実行できずにいた
だけれどそれでも僕はそんな自分さえゆるしたよ
やさしく やさしく
いることは 案外難しいことだけど
やさしく やさしく
なるべくいたいから僕は滅多なこと以外は自分をゆるしたいのさ
たとえ 夢みる明日を遠ざけたとしても
輝く月を 栄えある未来を 壊しても
僕はやさしくしか生きられないから
やさしく やさしく
時の川を流れる 小石のように 丸みを帯びた僕でいるよ
やさしく やさしく
そして またやさしくいることは思うより難しいだろう
だから僕は やさしくなりたかった
そうしてたどり着いた答がこのザマだよ
でも トゲトゲした気持ちでいるより何倍もマシだろう
そんなふうに思う
人にやさしくできるなら自分も人だからやさしくできるはず
他人よりもまず自分にやさしくできなくちゃ他人など愛せない
だから やさしく やさしく いるのだ僕よ
世界の終わりまで
やさしく 僕よいろ
それだけが僕の長所のようなものだから。