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どるとるの部屋


[979] 水族館
詩人:どるとる [投票][編集]


閉館した水族館の中
従業員は皆 家に帰り
魚たちは水槽の中で
深い眠りにつく

そんな 明かりの消えた水族館はどこかさびしげで昼間の賑わいも嘘のように静かなんだろうな

夜の水族館はまるで
宇宙みたいにどこまでも終わりがないような静寂と無限に続く永遠みたいな
そんな感がある

ほら 魚たちは夜明けとともに目を覚まし朝ご飯を待つ
寝坊助はマンボウかな
少しずつ明るくなってゆけば水族館もまた昨日の賑わいを取り戻し人でごった返す

ほら 小さな女の子が水槽の中にいる魚をめずらしそうにのぞき込んで手を振る
瞬きしたのはジュゴンかな

午後から降り出した雨の雨足も夕方ごろには弱まる 予報
そしてまた水族館は
閉館する
変わらぬ日々が
水族館にもある
営みはつづくよ
人も魚も

そして日は沈み
また水族館に夜がおとずれる
魚たちは夢を見る
どんな夢を見てるのかなあ

あらら、マンボウは
今更目を覚ましたみたい。

2010/01/29 (Fri)

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