詩人:あぃこ | [投票][編集] |
それでも良いと言えば
あなたはもう一度キスをしてくれただろうか
手の温みを
あの人と分かち合わせてくれただろうか
駄目だと思った時には
もう遅かった
滲む色
帰る場所はもうないの
膝抱えて
帰る場所はもうないの
そばにいたかった
私で満たしたかった
あなたを丸ごと全部分かりたかった
あなたとのこれからを描いた
愚かな私
あなたの見つめる先には
違う人がちゃんと笑っていたのにね
こんなに泣くなら
あなたの秘密でいればよかった
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口に出してしまえば
もう戻れない気がした
ああ、また夜が明けるね
手探りで探した明日
見つけたのは何だっけ
消えかけた電球
鬼のいないかくれんぼ
待ち人は来なかった
キリトリ線のその向こう
伸ばした手の中は空
奇跡は起きなかった
溜め込んだ感情
溢れ出す
どうせなら
君の前で泣くんだった
奇跡は 起きなかった
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笑っていよう
笑わせていよう
大好きでいよう
大好きでいてもらおう
手をつなごう
指を絡めて
明日はどんな色
夕陽のオレンジ
染まる街
伸ばした左手
触れた右手
重なるくちびる
染まる頬
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眠れない夜は
ホットミルクじゃなくて
貴方の手の温みがいい
『今すぐ来て欲しい』
困らせたくないから
言わないけれど
眠れない夜は
誰かの子守唄より
貴方の『好きだ』が欲しい
睫毛をさわって、
髪を梳いて、
『おやすみ』って言って欲しい
わがままな
眠れない夜
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さみしい
さみしい
さみしい
好きだから 会いたい
好きだから 邪魔したくない
好きだから
好きだけど
行き場のないモヤモヤ
サミシイ
サミシイ
サミシイ
でもきっと
明日も笑顔で君を送り出すんだろう
『お仕事頑張ってね』
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人は
逝く時
走馬燈のように思いを駆け巡らせるという
けれど
残される人々もまた
同じである
楽しかった団欒
つまらない冗談
くだらない約束
溶け合って混ざりあって
一緒に見たテレビ
帰り道の夕日
ごはんをよそう音
幸せだった日々
もう戻れない日々
ありがとう
さようなら
さようなら
同じ思い出を胸に
さいごに
ひとつ になる
だから
いつも一緒
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大好きだなんて
言えない
恥ずかしくて
難しくて
だから
黙ってついてゆく
広い背中を目印に
初めてのデートの帰り道
まぶしい気持ちを抱いて
ひとつ大人になった夏
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我が家にやってきた
たれ耳の茶色いふわふわ
まんまるな瞳
出しっ放しの舌
ちいさな足跡
大好きな散歩に行って
嬉しいってしっぽを振る
おいしいささみを食べて
専用の毛布で眠る
トイレがきちんとできなくて
怒られて 上目遣いに隅にまるまる
どうしてそんなに可愛いのって
言われると お腹をだしてサービス
鼻先のおやつを 取られると思って
必死で唸って威嚇
仕事で出掛ける父に
置いて行くなと猛抗議
好きな時に寝て
好きな時に起きる
嬉しい時にしっぽを振り
悲しい時にクンクン鳴いて
なでてとすり寄ってくる
あたしの足を枕にし
あたしのぬいぐるみをボロボロにし
いたずらしてドアを壊す
憎たらしいけど
憎めない
我が家の
可愛い可愛い
いちばん下のおとうと
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くらやみ
大きな手
光るやいば
ぼくは 独りだ
ふとした瞬間に訪れる静寂
僕は気に入らない
何もかも
優しい猫撫で声も
光に導くてのひらも
わずらわしい
言葉にするのが億劫で
飲み込み続けた光
もうあたりは真っ暗闇
ひっこみもつかない
涙でボロボロ
格好もつかない
閉ざされた口
閉ざされた心
こじあけようと必死
諦めてだんまり
疲れ切って ため息
さよなら
サヨナラ
ぼくは やっぱり独りかもしれない