さらりと流れる髪に
大きな広い背中に
低く優しい声に
あたしを見つめる瞳に
力強い掌に


誓うよ

あたしの全部

あなたにあげる

夕暮れて

風の寒きか

ゆく秋の

紅葉のよな頬

のびゆく影と


AIKU061022

光りが怖くて怖くて逃げ出した

逃げ込んだあの日

優しくかくまってくれた夜の闇

ベットの隅っこで光る涙も

誰も知らない

誰にも知られない


夜が隠してくれたから

弱い自分にライトが当たるのが嫌で

特技の愛想笑い


うずくまった路地裏

野良猫がそばを通る

見送った先に見えたひとつの光り

臆病なあたしは光りをおそれ そして求める


また信じられるかな…??

そうしてあたしは手を伸ばした

まっしろで
ふわふわしてて

ふさふさのしっぽ
ぱたぱたふって

あっちから駆けてくる

トコトコ トコトコ


まっしろいふわふわ

へらって笑う
舌だして 首をかしげる

遊ぼう??

きらきらの目


じゃあ鬼ごっこね
つかまえてごらん!

なんていって
すぐつかまって

ごほうびのジャーキーをあげる

のびをする横
綺麗な夕陽と小さな幸せを見つけた

愛しさに
重ねたくちびる
ほろ苦い
僕たち二人の
はじまりのしるし

AIKU060902

こころってドコにあるんだろ

前テレビで偉い人が

脳にあるって言ってた

ほんとかなぁ

ちっちゃな女の子に聞いたら

このへんって自分の周り ぐるって手をまわして

最後に胸をとんってたたいた


アタシはどこにあるか分からないそのこころで

なぜだか分からないけどそっちの方が正しいと思った

今から行くから

いつだって君は突然


前の日に言ってくれれば

部屋だって片づけるのに


メールかと思ったら

突然の君からの電話

表示見て焦ってとって
声裏返る アタシ

何もないよぅに 普通にしゃべる君 ズルイよ


好きなんだけど

突然の君の告白

照れてるのが伝わって
こっちまで赤くなっちゃう

小さく『アタシも…』

どこか行きたいね

そういって出かけた帰り

突然の夕立

二人で上着 傘がわりに

軒下まで駆けたね

雨宿りしてたら

だんだん体が冷えてきて

寒いねっていったら

突然抱きしめるから

その暖かさに驚いたんだ


いつだって突然すぎる程で、でもそんな所が好きで…

だけど


好きな人ができた

突然の君のさよなら

あの日から

アタシの時間はとまったまま――

初めての授業参観

後ろのお母さんチラチラ

手をあげようかそわそわ

当てられてドキドキ

まちがえてめそめそ

お母さんの後トコトコ

お母さんニコニコ

頑張ったね よしよし

ある日の母子のカタチ

あーあ つまんない
時間 損しちゃった

ホントはね 損した気分になるだけで

ホントの意味で損な時間なんてないの

今日だって
知らなかったあなたをひとつ知れたよ

つまんない時
あなたがどうするか

知ってた?
爪を噛むの
知らなかったでしょう

今日あの時間がなかったら
そんなこと知らなかった

あなたの右の親指を

こんなに愛しいと思わなかった

つまんない時間よ
ありがとう

雨
あなたのおっきな傘に
二人並んで
他愛もないおしゃべり
ずっと雨が降ってればいいのにって

ないフリして隠した傘
雨がやむまで
あなたの隣にいていい?