詩人:あぃこ | [投票][編集] |
ただいまの返事
返ってこないことは知ってる
鍵をまわせば虚しい空虚な音
ひとりぼっちの家
ぴりぴりと空気が痛い
重すぎる沈黙がよこたわる
リビングをぬけるのも一苦労
どろり どろり
足をとられて動けないよ
けたたましい目覚ましの音
この静けさの中
耳が痛い 痛い
たまらず雫がこぼれおちる
この波に
この涙に
泳ぐ音符の魚
その音を掴みたくて
スイッチを入れたその時から 静けさから救われるその瞬間
染み入るメロディ
僕も 溺れるように
泳ぎだす
音の波にのって
静けさを凌駕する
鏡に向かって
平気だ
と笑ってみる
強がってこぼれた涙は波にさらわれ
今日も 僕は平気だと笑う