詩人:Ray | [投票][編集] |
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手を伸ばせば
すぐそこに
今でもあなたが居るかのように
錯覚する
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こんな寒い
眠れない夜には
いつも
あなたが
受話器の向こうで
温めてくれたね。
もう鳴るはずのない
着信音
あなたは居なくて
その着信音を
目覚ましにして
毎朝
携帯に飛び付くあたしは
そのたびに
あなたが居たはずの
あの夏の夢の中から
一気に現実へ
引き戻される。
眠気は吹き飛んで
目覚ましの効果は絶大
だけど
毎朝
目覚めと同時に
哀しい錯覚と
どうしようもない切なさが
あたしを襲うの。
あなたが居た
あの夏の夢。
錯覚でもいいから
あたし
ずっとその中に居たかった・・・。